コラム VOL.06 弓井 茉那さん

はろはろNIIHAMA ARTプロジェクトのひとつとして「フリーペーパーHoo-JA!」に掲載されるコラムをご紹介します。

俳優・ワークショップファシリテーター・インプロバイザー:弓井 茉那(ゆみい まな)さん

「BEBERICA theatre company」

0~2歳のあかちゃんと大人が一緒に楽しめる、舞台芸術・ベイビーシアターをつくる劇団、BEBERICA(べべリカ)を運営しています。「あかちゃんと一緒にせかいをつくる」をテーマに、演劇公演やワークショップをいろんな場所で開催しています。コロナ以降は、ベイビーシアターを通じて子育てを楽しむための交流の場「ベイビーシアター・オンラインサークル」という活動も始めました。

私が最も興味があることは「あかちゃんがどんな風にこのせかいを捉えているのか」ということです。「きっとおとなとは違った捉え方をしているのでは」そう思って公演ではあかちゃんの反応を演劇の内容に組み込み、劇場の中で新しいせかいをつくるような、そんな体験ができる作品づくりを心がけています。

私をそんな考えに導いたのは、亡き母の記憶でした。私が3歳の時にこの世を去ってしまったので、母の顔は何一つ覚えていません。しかし、唯一覚えているものがあって、それは2歳か3歳の頃、公園で遊んでいた時に、抱き上げられた時の感覚です。その時の手の大きさ、温かさ。圧倒的な力で高く抱き上げ、「私、空飛んでる」と思ったことを覚えています。

幼い私は、そうやって前身と全感覚を使って、せかいを捉えようとしていました。そのおかげで、母にまつわるたった一つの記憶を、今でも鮮明に覚えています。誰しもが子ども時代に、鮮烈な感覚の記憶があるんじゃないでしょうか。このように、あかちゃんが見るせかいをおとなが面白がって、一緒にせかいを捉え直していくようなことができたら楽しいなぁと思っています。

プロフィール

弓井 茉那 (ゆみい まな)BEBERICA theatre company 代表・プロデューサー・演出/俳優

京都市生まれ。京都造形芸術大学、座・高円寺劇場創造アカデミーで舞台芸術と演劇教育を学ぶ。
2016年に乳幼児とおとなを観劇対象とする演劇作品をつくるカンパニー、BEBERICA(ベベリカ)を立ち上げる。
ベイビーシアターの創作・上演活動に加えて、保育者向けのワークショップ、研究会や実践者のネットワーキングなど、普及活動にも力を入れている。
また、俳優としてのキャリアを活かし、「愛され講座」の講師とコンサルタントの活動も行っている。

2017 年ドイツ・デュッセルドルフの劇場・Düsseldorfer Schauspielhaus 児童・青少年劇場で演劇教育を担当。2018 年までST スポット横浜地域連携事業部で勤務。2019年まで松田正隆が代表を務める「マレビトの会」にプロジェクトメンバー 俳優部。

俳優としての主な出演作:クロード・レジ演出『室内』(SPAC 制作、アビニョン演劇祭2014 正式招聘作品)

■ベイビーシアター・オンラインサークル
「ベイビーシアター」「あかちゃん」ファンの集いの場。
オンラインで、ご自宅からベイビーシアターのワークショップに参加したり、
オンラインで講演会に参加してみたり。
ベイビーシアターの体験&交流ができる、オンライン上のコミュニティスペースです。
みんなでベイビーシアターを楽しむ場です。
詳細はこちらをご覧ください。

劇場の大きなスクリーンで演劇を観てみよう!

あかがねミュージアムで作品を上映いたします。

●BEBERICA theatre company『What’s Heaven Like?』
[日時]2021年1月16日(土)・17(日)10:30~(9:30開場)
[場所]あかがねミュージアム地下1階 多目的ホール(あかがね座)
[対象]0歳から入場可
[参加]入場無料・先着順
[定員]100名
[上映時間]35分(ワークショップ映像10分+上演映像25分)
※詳細はこちらをご覧ください。

Hoo-JA!コラムVOL.06 弓井茉那

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